少しだけ、泣いていいかな

あたしはｻｰｸﾙの自分のﾎﾟｼﾞｼｮﾝを嫌だなんて思ってない。

あたしは本当にデブだし可愛くもくそもない。
おまけによくしゃべるしこのｷｬﾗだし基本Ｍだし←
弄り倒されるのはもう慣れた。

元彼からは最近「ポーク」と呼ばれている。豚肉か。
先輩からは「ｲﾝﾌﾙだけはやめて！」と言われる。豚ｲﾝﾌﾙか。

けどそれもいつものことだし、本気じゃないことを知っている。

どちらかと言えば、(同期の女以外には)愛されてるｷｬﾗだと思う。
あ、(　)内は結構重要ですよｗｗ

愛想振りまくってゆーかヘラヘラするように努めてるし、
だからといって何も考えてないわけじゃない。嫌なことははっきり言う。
締めるところは締めて、愚痴零すことはしない。
後輩にもそう努めてる。
同期の女共と一緒になんかされたくないから(はい、ここも重要。笑)

可愛がられてる、ってわかってる。
あたしがそれを言われても、いつもの冗談だからと笑える思われていことも。


今日ね、寒かったんだ。

人にとっては普通の日だったのかもしれないけれど。

夕方ｻｰｸﾙに行ったんだけど寒くて困ったよ。
ﾃﾆｽするにはﾊﾟｰｶｰはいらないけれど、半袖は涼しくて。
それでもあたしは、近い大会に向けて練習したいからやる気むんむんで半袖だったんだけどさ。やっぱねどうしようもないのかね。

特に手がね、やっぱりダメだったんだ。
もうあたしの手は人とは明らかに違うみたいだ。

真冬に手がかじかむ感じ。
硬くなっていく手、紫に変色していく手、血行が悪くて浮腫んでいく手。指先の震えが止まらなくて爪が白くなっていく。
足先も指がじんじんしていくのが分かる。

それでもみんなとﾃﾆｽしたくて続けてたらさ、見つかっちゃった。
「ののの手、めっちゃ浮腫んでない？」

そうなんだよね～、最近ずっとこんなんでさ＾＾

なんか豚足？マジ肉々しい手だなｗｗ
うわっ！指先の色なに!?気持ちわるい色してるけど!!ｗｗ
てゆか最近うで回り太った？
この手はさすがにヤバいっしょ！痩せろってｗｗ


わかってるよ。これはあたしが作り上げたｷｬﾗだもん。
別に言われてもどうってことないよ。

けど、ね。今はちょっと、泣けちゃうよ。

その言葉に傷付いたんじゃない。
君のせいじゃない。

わからないけど、涙がでるんだ。

誰に言ったわけでもない。
みんなにこーゆー事情だからそんなこと言わないでー＼(＾ｏ＾)／
って言っちゃえば楽になるかもしれない。
けど誰彼かまわず全てを話せるほど強くはなくて、
それに全ての人に話したいわけじゃない。

一向に動かない指先は家に帰ってお湯で温めてやっと動いた。
それでも浮腫みだけはひどすぎて、手を動かすのに力がいるってやばいよね。
手の痺れが今も残る。

今、５月だよ？
冬じゃないんだよ？

なのに、なんであたしの手は動かないんだ。


動かない手や強張る足先、紫色の指。
一向に温まらない浮腫んだ手はこれから一生あたしから離れなくて
現実に叩きつける。


どんだけ泣けば終わるんだろう。

最早今、なんで泣いているのかもわからない。
今更その言葉に傷付いた？
指先が痛むから？
紫色の手が、憎いから？

あたしね、普通でいいんだよ。
普通になりたいの、今までどおりの身体で。
こんな泣きたい感情をもって生活したいわけじゃないんだよ。
半年前までみたいに笑って、心から笑ってすごしたいだけなんだよ！

それの何が悪いって言うんだよ。
グーをする、手を握ることが困難な日常なんて、嫌なんだよ。
普通を願うのが悪いみたいで、悲しいよ。


季節はずれの暖房が付く部屋で炬燵に包まっている。
我が家にはまだ、炬燵が出ている。今年は異例だ。長すぎる。
だから先週、父が帰ってきたときに怒られたよ。
「まだ炬燵なんか出して！早くしまえ!!」
それでも母はしまわなかった。

今日、少しだけ泣きながら帰って来たら炬燵がついていた。
「早く手を温めなさい」と。
ご飯を食べてもその温もりは残っていた。
今、誰もいないﾘﾋﾞﾝｸﾞで炬燵に包まりながら暖を取る。
指先を温めながら。



もし母が、今日みたいなことを見越して炬燵をしまっていなかったのならば。


そう考えたら、今度は我慢しきれずに声を出して泣けてくる。

今日のこの涙は、こーゆー理由だと思うことにしよう。